民泊宿泊者名簿とは?必要項目、3年保存、電子化の進め方を解説

作成日: 2026年3月26日更新日: 2026年3月26日

はじめに

民泊の運営では、宿泊者名簿をどう回収し、どう保存するかが後回しになりやすいです。ところが実務では、「紙で書いてもらえば大丈夫」では済まない場面 が少なくありません。本人確認のタイミング、国内住所のない外国人への対応、3年保存、電子化したときの管理方法まで、一度に考える必要があるためです。

この記事では、民泊の宿泊者名簿で押さえたい必須項目、保存ルール、本人確認、電子化の進め方を整理します。最後に、観光庁の電子宿泊者名簿と Guest Note のような専用サービスの違いも整理します。読み終えるころには、自分の運営でどこを整えるべきか が見えやすくなるはずです。


まず押さえたい結論

宿泊者名簿で最低限押さえたいのは、次の4点です。

確認したいこと先に押さえたい内容
必須項目氏名、住所、職業、宿泊日。国内に住所のない外国人は国籍と旅券番号も必要です。
保存届出住宅や営業所などに備え、3年間保存する必要があります。
本人確認宿泊開始までに、宿泊者それぞれについて本人確認を行う必要があります。
電子化電子データで作成・保管できますが、紙で出力できる状態にしておく必要があります。

観光庁の民泊制度ポータルでは、住宅宿泊事業者は宿泊者名簿に氏名、住所、職業、宿泊日などを記載し、3年間保存する必要があると案内しています。また、電子データで保管する場合でも、紙で出力できる状態が必要とされています。厚生労働省も、旅館業法上の宿泊者名簿は電磁的記録で保存できると案内しています。

参考:


民泊の宿泊者名簿とは

宿泊者名簿は、宿泊者の身元確認と、事故や感染症、トラブル発生時の確認のために備える記録です。住宅宿泊事業でも旅館業でも論点になりますが、特に民泊では、本人確認や外国人宿泊者の扱いまで含めて運用を整える必要があります。

「宿泊者名簿」「宿泊者台帳」「レジカード」と呼ばれることがありますが、実務ではほぼ同じ文脈で使われます。重要なのは呼び方より、誰の何を、いつまで、どう保存するか を明確にしておくことです。


必要項目はどこまで書けばよいか

全宿泊者について必要な項目

観光庁の案内では、住宅宿泊事業の宿泊者名簿には、次の項目を記載する必要があります。

  • 氏名
  • 住所
  • 職業
  • 宿泊日

代表者だけで済むように見えがちですが、本人確認は「宿泊者それぞれ」について行う必要があります。複数人で泊まるときも、誰が泊まったかを曖昧にしない運用が必要です。

国内に住所のない外国人で追加になる項目

国内に住所のない外国人が宿泊する場合は、国籍と旅券番号も必要です。旅館業法側でも、外国人宿泊者の旅券確認は重要論点として扱われています。

ここで注意したいのは、外国人だから必ず旅券番号が必要、ではなく、国内に住所がないケースが中心論点 だという点です。現場では一律対応にすると説明がぶれにくい一方で、要件の理解自体は正確に持っておいたほうが安全です。


3年保存と本人確認はどう考えるか

保存は3年が基本

観光庁は、宿泊者名簿を届出住宅または営業所、事務所に備え、3年間保存する必要があると案内しています。保存の起点を曖昧にしないよう、作成日ベースで管理する 前提を持っておくと運用がぶれにくいです。

電子保存は可能

厚生労働省は、旅館業法上の宿泊者名簿を電磁的記録で保存できると案内しています。観光庁も、電子データで作成・保管する場合は紙で出力できる状態が必要だとしています。

つまり、紙でなければいけないわけではありません。重要なのは、必要項目が漏れていないこと、本人確認の流れがあること、必要時に出力や提出ができることです。

本人確認はチェックイン後では遅れやすい

観光庁の案内では、宿泊行為の開始までに宿泊者それぞれについて本人確認を行う必要があります。運用上は、現地で全員分をゼロから記入してもらうより、事前入力と当日確認に分けたほうが現実的です。


よくあるつまずき

自筆が必須だと思っている

手書きでないと無効、という理解は正確ではありません。電子保存は可能ですし、実務では最初からデジタルで回したほうが転記ミスを減らしやすいです。

代表者だけ書けばよいと思っている

予約代表者だけの情報で済ませると、本人確認やトラブル時の追跡で弱くなります。グループ滞在でも、宿泊者それぞれを把握できる運用にしておくべきです。

回収はできているが、出力や提出の形が整っていない

名簿情報を集めていても、必要なときにCSVや紙で出せないと、監査や確認時に手間が増えます。電子化するなら、保存だけでなく出力まで含めて整える 必要があります。


紙、観光庁の電子宿泊者名簿、専用サービスの違い

電子化を考えるときは、最初からシステムを決め打ちするより、運用の違いで比べると整理しやすいです。

方法向いているケース注意したいこと
紙で管理する件数が少なく、対面チェックインが中心保存や検索、転記で手間が出やすいです。
観光庁の電子宿泊者名簿住宅宿泊事業で、Windows PC 前提で運用できる住宅宿泊事業者向けのソフトウェアで、届出住宅ごとに管理する前提です。
専用サービスを使う事前入力、多言語、複数拠点、CSV出力まで整えたいサービスごとに対応範囲や運用のしやすさが異なります。

観光庁の電子宿泊者名簿は、住宅宿泊事業法で定められた宿泊者名簿と、二ヶ月ごとの定期報告データを作成できる公式ソフトです。Windows 10 / 11 をサポートし、届出住宅ごとに管理できると案内されています。

一方で、現場でよく出る論点は、URLやQRで事前入力したい、多言語で案内したい、当日は確認だけにしたい、提出用データをすぐ出したい といった運用面です。この部分は、専用サービスの方が扱いやすい場合があります。


電子化を進めるなら Guest Note も候補になる

専用サービスの具体例として、Guest Note があります。Guest Note の公開情報では、民泊、簡易宿所、旅館向けの宿泊者名簿クラウドサービスとして、次のような運用を案内しています。

  • フォーム URL や QR で、ゲストに事前入力を案内できる
  • 日本語、英語、中国語、韓国語の4言語に対応している
  • 中国からも利用できる
  • CSV出力に対応している

特に、セルフチェックイン寄りの運営や、外国人宿泊者が多い物件では、当日その場で全部記入してもらう運用 より、事前入力して当日は確認だけにする方が現実的です。Guest Note はこの流れに寄せやすい選択肢です。

より詳しい機能や運用例は、Guest Note 側の公開ガイドも参考になります。

💡

ポイント

宿泊者名簿の電子化は、単に紙をなくすことではありません。本人確認、保存、当日運用、提出対応まで一連で回しやすくすること が本質です。


運用前に整理したいこと

最後に、名簿運用を整える前に整理したい項目をまとめます。

先に決めたいこと理由
どのタイミングで情報を回収するか予約時、事前案内、当日確認で役割を分けるためです。
本人確認を誰がどう行うか対面か、ICT を使うかで現場負荷が変わります。
外国人宿泊者が多いか多言語案内や旅券情報の取り扱いに影響します。
紙で出力する必要があるか監査や自治体対応を想定しておくためです。
複数物件で共通運用したいか物件が増えるほど、電子化の価値が大きくなります。

家主不在型で管理委託が必要になるか、運営をどこまで外部に任せるかまで整理したい場合は、次の記事もあわせて確認しておくと判断しやすくなります。


まとめ

民泊の宿泊者名簿では、必要項目を漏れなく集めること、宿泊開始までに本人確認すること、3年間保存すること、必要時に出力できること が基本になります。紙でも運用できますが、事前入力、多言語、CSV出力まで含めて考えると、電子化した方が回しやすい場面が増えます。

住宅宿泊事業の公式ソフトを使う方法もありますし、現場運用まで整えたいなら Guest Note のような専用サービスも候補になります。まずは、どのタイミングで情報を回収し、誰が確認し、どう保存するかを整理してみてください。

参考にした公式情報:

参考にしたサービス情報: