はじめに
民泊用の物件を探すとき、写真と賃料だけで即決してしまうのは危険です。内見は“お宝物件”を見抜く最後のチャンス。法律・設備・周辺環境まで総合的にチェックして、あとから「想定外のコストが…」と後悔しないようにしましょう。本記事では、民泊事業者が 内見で必ず見るべき項目 を先輩目線で丁寧に解説します。
内見の前に準備すべきこと
- 営業スキームを決める 住宅宿泊事業(届出民泊)か、旅館業(簡易宿所免許)かで必要設備が変わります。
- 稼働シミュレーションを作る 想定宿泊単価・稼働率・清掃費をエクセルでざっくり計算し、許容家賃を把握しておくと内見時の判断がスムーズです。
- チェックリストを印刷 物件ごとに書き込みできる紙 or スマホのテンプレがあると抜け漏れ防止になります。
物件の基本情報チェック
建物の法的適合性
- 用途地域・建蔽率/容積率 旅館業を取るなら用途地域が制限になるケースがあります。
- 検査済証と図面 違法増築があると旅館業取得時に改修コストが膨らむので要注意。
管理規約・オーナー許可
分譲マンションの場合は 管理規約 が最優先。民泊禁止条項がないか原文を確認し、理事会議事録で直近のトラブル事例もチェックすると安心です。戸建て賃貸でも、契約書に「宿泊事業禁止」と書かれていないか確認しましょう。
室内・設備のチェックポイント
レイアウトと動線
- 玄関から寝室までの距離が短いと深夜チェックイン時の騒音クレームになりやすい。
- ベッド配置後もスーツケースが広げられるか床面積を実測。
水回りと設備の耐久性
- 給湯器の号数が小さいと冬場の同時シャワーで温度低下。
- 排水管の勾配を確認し、腐食があれば交換見積もりを取る。
消防・安全設備
周辺環境の確認
アクセスと周辺施設
最寄り駅から徒歩10分超の場合、レンタサイクルや送迎の導入で差別化できるかを検討。コンビニ、コインランドリー、飲食店の距離もゲスト満足度に直結します。
近隣住民との距離感
夜間に物件前で話す声が反響しやすい路地か、街灯の有無で治安イメージが変わります。昼と夜、平日と休日で雰囲気を比べるのがおすすめです。
ランニングコストと収益シミュレーション
- 共益費・管理費: ゴミ置き場清掃やエレベーター保守費が高いと家賃より重い固定費になる場合も。
- 光熱費とネット回線: 契約可能なプロバイダ速度を内見中に現地テストすると◎。
- 追加改装費: 建築基準・消防設備の追加でいくら掛かるか、施工会社同行で概算をもらっておくと計画が狂いません。
チェックリストまとめ
カテゴリ | 主な確認項目 | 見落とすと起こるリスク |
---|---|---|
法令・規約 | 用途地域 / 管理規約 / オーナー許可 | 旅館業許可が取れず開業不可 |
室内設備 | レイアウト / 水回り / 消防設備 | クレーム増加・改修コスト増 |
周辺環境 | アクセス / 生活利便施設 / 近隣住民 | 低評価レビュー・稼働率低下 |
コスト | 共益費 / 光熱費 / 改装費 | キャッシュフロー悪化 |
まとめ
内見は 「図面で見えないリアル」を検証する工程 です。法的ハードル・設備状態・周辺環境・コストの4視点でチェックすれば、数字だけではわからない潜在リスクを早期に洗い出せます。じっくり内見して、ゲストにも自分にも優しい“当たり物件”を掘り当てましょう!